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執筆者の写真前住職

彼岸法要

 9月23日火曜日・彼岸中日に午後の半日だけ彼岸法要を勤めました。コロナ対策のために椅子の間を空けて座ってもらい、演台の前はしっかりガードしました。また、お勤めも正信偈同朋奉讃で、参詣者には小さい声でと念を押したのですが……。

 今回「心のよりどころ」という題で話しました。ここで心というのは自我のことです。自我は不安定で弱いものだから、必ず何かに支えられていないと倒れてしまう(取意)、という岸田秀の言葉を手がかりに話したことです。ここ数年話題の岸見一郎『幸福になる勇気』の一節から『最後に、哲人が青年に「覚えておいてください。われわれに与えられた時間は、有限なものです。そして時間が有限である以上、すべての対人関係は「別れ」を前提に成り立っています。ニヒリズムの言葉ではなく、現実としてわれわさは、別れるために出会うのです。……だとすれば、われわれにできることはひとつでしょう。すべての出会いとすべての対人関係において、ただひたすら「最良の別れ」に向けた不断の努力を傾ける。それだけです。』という言葉を紹介して、人との出会いの大切さを確認しました。しかし、本当に「最良の別れ」を実現出来る人はどれだけいるのでしょう。逆に後悔ばかりしている自分がいるのではないでしょうか。

 限りある人生であるのに対人関係を大切に生きることのできない、そのような私たちに幸福(=最良の別れ)はあるのかと問いかけ、「幸福の量は、謝念の量に等しい」というフランスの諺(と聞きました)を紹介しました。そこで宗教(出世間)的価値観と社会(世間)的価値観の違いを上げて、幸福とはどういう意味なのかについて述べ、最後に念仏申すことがそのことを常に思い出させてくれる、と話したことです。

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